満福寺

【開山上人】:徳一大師(中興開山 良拾受徳上人)

【開山年】:大同2年(807) 満福寺建立は天文22年

【御本尊様】:阿弥陀如来立像(満福寺阿弥陀堂に安置)東堂山観音堂本尊仏(正観世音菩薩)

【由緒・縁起等】:東堂山は磐越東線小野新町駅より西北約7?に位置し、海抜659mで、老杉林立し山骨峨々とした名山であります。樹齢550年の老杉並木の参道、苔むす大石垣、巨岩上にそびえる鐘楼、秀麗な堂宇のある境内など、その姿は四季を通じて幽玄な雰囲気をたたえている。
開山の歴史をみると今から約1,200年前、坂上田村麿将軍が東征のおり、霧島岳(今の大滝根山)にあった蝦夷の長、大多鬼丸と戦って利なく、一旦この山に退き観世音菩薩に祈願をかけた。その冥助により蝦夷を討滅することができたので、観世音の恩徳に報謝し、戦没の人馬を供養するために、徳一大師を派遣してこの山を開かせた。時に大同2年(807)のことである。

大師は将軍の故事にのっとり観世音を霧島岳に対して東向きとし、山号を東堂山と命じた。その他、将軍地蔵、毘沙門天王、不動尊を奉祀し、また後世に寺号を満福寺とした。
元亀元年に浄土宗名越派奥州総本山専称寺第10世住職であった良拾上人によって、満福寺は中興され浄土宗の寺となった。それまでは諸宗乱住し修験的な者も含め様々な系統の者が住持であったらしい。良拾上人は専光寺良補上人の兄弟弟子になることから、良補上人の招きで満福寺に入り復興後、更に赤沼無量寺をも再興させている。
東堂山の建築物で特筆すべきは、仁王門と執金剛神像すなわち仁王像であり、宝暦6年(1756)に建立されている。また毘沙門堂は寛政9年(1797)に再建され、近世木造建築の枠を集めた鐘楼堂は万延2年(1861)に建立されて、山中に響き渡る鐘の音は「ふくしまの音三十景」にも選ばれ、潤いと安らぎを与え心地よい音として親しまれている。

【年中行事】:初詣、春季彼岸法要、正観世音菩薩御開帳法要(春季例大祭)5/3、除夜の鐘

【指定文化財】:油彩洋人曳馬図(県重文)亞歐堂田善筆、鐘楼(町指定重文)

寺院情報
寺院番号 08-085
山号 東堂山
院号 寂静院
寺号 満福寺
所在地 〒963-3522 福島県田村郡小野町大字小戸神字日向128番地
TEL 0247-73-2713