弘経寺
『格式高い御朱印寺〜白モクレンも美しく〜』

上野からJR常磐線で40分、利根川を越えた所、茨城県取手市に大鹿山清浄院弘経寺がある。飯沼(北海道)、結城の各弘経寺とともに「関東の三弘経寺」として親しまれている。

開山は浄土宗を中興した第七祖聖冏(しょうげい)の弟子、良肇(りょうじょう)が応永21年(1414)、飯沼の弘経寺の分寺として、当初人家もない山中に草庵を設けたのが始まりという。

天正18年(1590)徳川家康が当地に遊猟の際、案内をした住職の宣誉上人が有徳の僧であったため、特に境内外三十一石の御朱印を授かり、以来御朱印寺としての格式を備え、堂宇の規模も拡大された。現在も家康をはじめとする十一代の御朱印が保存されており、たいへん貴重である。
昭和22年火災によって古くからの伽藍(がらん)を失ったのは惜しまれるが、100メートル余の長い表参道や、広々とした境内が昔をしのばせる。本堂は47年の再建だが、本尊の阿弥陀如来像は鎌倉時代後期の作と伝えられ、今も美しい姿をとどめている。
境内には桜、梅、イチョウなど樹木も多く、中でも白モクレンの巨木は春の彼岸ごろ一面に花を咲かせ、壮観である。

浄土宗新聞平成元年3月号より記載

寺院情報
寺院番号 11-031
山号 大鹿山
院号 清浄院
寺号 弘経寺
所在地 〒302-0023 茨城県取手市白山2丁目9番28号
TEL 0297-72-0289
FAX 0297-72-6652