正覚寺

【由緒・縁起】
正覚寺は大音山響流院(だいおんざんこうるいん)と号し、寛永6(1629)年5月に專蓮社南譽終古白玄和尚が開創されました。大音山響流院正覚寺の山院寺号は、浄土宗の経典としている『無量寿経』巻上の「正覚大音響流十方」正覚の大音ひびき十方に流る、から出ています。大音は大きな音と言うことで念仏の声を意味していますから、念仏の声が響き流れて、多くの迷える人たちを救い、正しい覚りを得させ、極楽浄土に生まれさせたい、と言う願いをこめて創建されたものと思います。

【東都三十三間堂千手観音】
京都の三十三間堂には、鎌倉時代に造られた丈六像の本尊を初めとする等身大の脇侍一千一体の十一面千手観音が祀られています。東京にも江戸時代、寛永20(1643)年にその三十三間堂に倣って当時まだ湿地と原野だった浅草の地に堂宇が建立され、東都三十三間堂と称されました。ところが元禄11(1698)年に火災によって焼失し、翌年幕府に指定され深川の富岡八幡宮東隣りに移転しました。その後、明治5(1872)年に廃寺となり、関わる古文書と観音像が深川正覚寺に移されました。その観音像も関東大震災で本堂と共に焼失してしまいました。その復興の第一歩として、昭和61 (1986)年に有縁無縁のお力添えにより、京都の仏師佐川定慶師によって京都三十三間堂のご本尊を二分の一の大きさに模刻しお祀りすることが出来ました。

【観経曼陀羅】
極楽浄土の有様を無量寿経、観無量寿経、阿弥陀経に説かれている事に従って画に表し、特に善導大師の観経の疏を忠実に表現して図示したものを観経曼陀羅と言います。正覚寺の観経曼陀羅は、昭和59(1984)年に国画会会員宮木薫画伯により完成された日本最大の天井画で畳28枚分の大きさがあります。

寺院情報
寺院番号 13-231
山号 大音山
院号 響流院
寺号 正覚寺
所在地 〒135-0033 東京都江東区深川2丁目22番5号
TEL 03-3642-6768
FAX 03-3642-6798