東京・中目黒の閑静な住宅街に長泉院付属「現代彫刻美術館」がある。境内の屋内と野外で現代彫刻を専門に展示する珍しいおてら美術館。
“二十世紀後半の日本の彫刻界の創造活動を記録する”ことを主題に、朝倉響子、菊池一雄、山田良定氏ら現代作家の作品約150点を展示。
屋内展示館は二階建てで、中央が吹き抜けの回廊式になっているしゃれたもので、ブロンズの人物像などが展示されている。境内の傾斜地を利用した野外展示場は具象彫刻を中心に、最近では抽象彫刻も展示した。小規模ながら、ゆったりと落ちついた雰囲気で、各所にベンチが置かれ、くつろぎながらゆっくり鑑賞できる。寺の教化事業の一環として、「現代彫刻を多くの人に見てもらい、そのすばらしさに触れ、楽しんでほしい。また仏教にも興味を持ってほしい。」と念願し、檀信徒らの賛同を得て、美術館が完成。
午前10時〜午後5時開館。毎週月曜日および12月20日〜1月14日休館。入場無料。ＪＲ線「目黒駅」下車、東急バス「三軒茶屋行」（系統06）「自然園下」下車。
(浄土宗新聞昭和63年1月より)