尊躰寺

甲府城の東、甲州街道がかぎの手に曲った所は古くから金手(かねんて)と呼ばれ、そこに尊躰寺(そんたいじ=磯貝大徹住職)がある。

創立は大永年間(1521から27).当時の城主武田信虎が難病を患い、唐の善導大使直筆の真向三尊阿弥陀如来画像を城内に掲げて祈念すると、すぐに全快したことから、信虎はこの像を本尊として忠蓮社弁誉上人を迎え、同寺を開いたと伝えられる。

徳川家康がこの像の霊験あらたかなことを聞き、ここを宿陣としたことは有名である。同寺の四世然誉上人に、天下泰平・武運長久の祈願を命じ、多くの災難を逃れたという。また毎年1月16日と8月16日には本尊の開扉も命じており、それは今は今もなお行なわれている。

境内には、佐渡金山奉行で甲斐の近世的村落成立の基礎を築いた大久保長安、現在の山梨大学教育学部の源流「微典館」の創立者富田武陵、江戸中期の学者で俳人の山口素堂らの墓もある。

先の戦火で往時を偲ぶものは本尊だけとなってしまったが、開扉の時には多くの参拝者でにぎわう。甲州善光寺も近いので訪れてみるといい。

浄土宗新聞平成3年3月号より記載

寺院情報
寺院番号 16-004
山号 功徳山
院号 深草院
寺号 尊躰寺
所在地 〒400-0861 山梨県甲府市城東1‐13‐17
TEL 055-232-8656
FAX 055-233-7786