心蓮社
めでた造りの名園と重文指定の来迎図

北陸の小京都金沢、市内を流れる浅野川と卯辰山に近い卯辰山の辺り、重文の来迎図と市より指定の庭園の寺、心蓮社がある。(同市山ノ上町)

寺号を見てハテと首を傾げる人もあると思うが、由来記には“慶長17年(1612)ニ露月和尚之ヲ草創セリ、釈露月ハ能州ノ人、出家シテ京都ヨリ此ノ地ニ来リ寺ヲ建テ心蓮社ト名ヅク”と。ちなみに露月和尚とは京都の清浄華院35世心蓮社休誉上人で加賀藩8家の一つ長氏の祖、長谷部信連の20代の末裔孫に当たり、始め金沢塩屋町に創建、のち寛永14年(1637)現在地に移住となる。

国道159号線に面する卯辰山の丘陵地、坂を上れば5年前に建立の山門が目につく。寺には後水尾帝より下賜の来迎図がある。この仏画、平安後期の作で阿弥陀三尊像、美術的にも高いとされている。境内の築山池泉式庭園「めでた造り」は江戸寛永期のおもかげを今に残し、金沢市内寺院中の古庭園の1つに数えられる。

低木442本、樹冠面積1050平方メートル、緑被率45%、昭和59年には樹木の保存指定にもされ、景観、雅趣に富んでいる。JR金沢駅から鳴和行きバス森山停または山ノ上停下車、徒歩3分(小坂肇俊記)

(浄土宗新聞昭和63年10月号より)

寺院情報
寺院番号 26-024
山号 金池山
寺号 心蓮社
所在地 〒920-0816 石川県金沢市山ノ上町4‐11
TEL 076-252-8623
FAX 076-252-8623
URL http://www.kotobuki-p.co.jp/kensaku/data/12si39.htm