善導寺
元藩主の菩提寺(阿弥陀如来胎内仏)

北陸の小京都といわれる大野。越美北線の越前大野駅から西の方向、町の中心へ向かって五分ほど歩くと、六間通りに交差した寺町通りに出る。各宗十四カ寺が、それぞれの雰囲気で静かにたたずんでいる。この寺町通りが毘沙門通りにぶつかる手前二つ目が善導寺。同寺は永禄元年(一五五八)に始まるが、江戸時代に大野藩主として赴任した土井家の菩提寺となり「殿さんの寺」として親しまれるようになった。

平成元年四月、現住職が二十二世として晋山(しんざん)した際に、ご開帳した本尊胎内仏(写真)は、像高四七・七センチと小さなものだが、鎌倉期の善光寺式阿弥陀如来として一見の価値がある佳品だ。ただし秘仏のため普段は拝めないが、福井県立博物館にこの複製品が常時展示されている。このほか豪壮な鐘つき堂、殿様お成りの間の勇壮な狩野派の襖(ふすま)絵、さらには庭園などいろいろと興味深いものが多い。大野は「名水百選」に選ばれた町で、そのせいかお米もお酒もおいしく、また豆腐も絶品。それに住む人が温いぬくもりを感じさせる町である。

浄土宗新聞平成元年8月号より記載

寺院情報
寺院番号 27-020
山号 光明山
院号 悟真院
寺号 善導寺
所在地 〒912-0024 福井県大野市錦町4‐11
TEL 0779-66-2791
FAX 0779-66-0909