念声寺
当地はその昔、二つの川の三角州のため地勢は東南に高く西北は低く、凹を窪といい、いつしか川窪(”川久保”、現在地の町名)となった。この地に鎌倉末期、渡来系の石工(伊行経あるいは伊派の者)が石仏(”船御光地蔵”)を建立。江戸中期の当寺開山までの約三百年は『当寺往古は艸庵で道心者が居住した。そこで平僧徒が住侶となり、近世長老住寺の道場となった。』(奈良坊目拙解)という。草創期の事情は全く不明。宝永元年(1704)の大火事のため寺の什物、初期の過去帳などすべて焼失。後世の資料(過去帳・墓石など)より、元禄年間に英暉上人(第三世)による開基、寺号《念聲寺》は一乗院の宮より給わったという。現在の中庭には、江戸中期の有名な狂歌師鯛屋貞柳の歌塚(第十六世建立)がある。
当時は「禅浄双修」(鈴木正三・藤吉慈海など)を旨とする。現在の”禅”は、下記の実践である。ドゥッカ(dukkha)を理解し、その終焉に達するために、呼吸へのサティ(sati)を実践し、ニッバーナ(Nibbãna)を今生において覚知するものである(ブッダのヴィパッサナー瞑想)。
毎月の例会(6日・12日)には、”仏教愛好家”の参加もあり、現住との質疑応答も活発である。
寺の界隈は奈良市の”きたまち”(平城京北東部、歴史的景観保存地区)であるため、当寺も「まちおこし」の各種イベント(シンポジューム、ひなまつり、地蔵まつり、仏画・写真・彫刻・陶芸などの作品展など)の開催に積極的に参加し地域社会との交流を務めてる。
【付記】禅浄双修その他について、宗内の”法友”との情報交流を望む。
寺院情報
寺院番号 | 30-004 |
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山号 | 光照山 |
寺号 | 念声寺 |
所在地 | 〒630-8293 奈良県奈良市川久保町30 |
TEL | 0742-26-6528 |
FAX | 0742-26-6528 |