本覺寺
白浜名所の“貝寺”神秘的な貝を陳列
白浜温泉の観光地図を広げると「貝寺」というのが載っている。本覚寺という浄土宗の寺院であるが、地元でも「貝寺」として親しまれており、約1.000種余・3万点の貝が展示されている。そのいきさつを聞いてみた。
「当寺の縁起絵巻によれば本尊の阿弥陀像は、昔京都から江戸の増上寺に船で運ぶさい白浜沖で船が難破し、漂着したものらしい。以来、紀州公のひきたてをうけ、お礼に珍しい貝を殿様に献上するのが慣例となり、地元の人々によって貝が集められたのです」
白浜は荒磯あり砂浜あり、黒潮洗う海岸線は魚や貝の宝庫となっている。その貝のコレクションを見せてもらったが、たくさんの美しい貝がところ狭しと並べてあった。珍種も数多いという。中でも注目されるのが、昭和2年京大の黒田徳米博士によって新種の貝が確認され、寺名をとって「ホンカクジヒガイ」と命名された貝。乳白色で真珠のような輝きをもつ魅惑的なもの。「自然のおりなす見事な結晶ともいえる貝に、みんな魅せられてますよ」と熊本住職。いつでも観ることができる。
紀勢本線白浜駅から明光バス「新湯崎」「三段壁」行きで、明光バス本社前下車。徒歩5分。
(浄土宗新聞昭和62年10月号より)(榎本了示記)
寺院情報
寺院番号 | 31-189 |
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山号 | 大信山 |
寺号 | 本覺寺 |
所在地 | 〒649-2211 和歌山県西牟婁郡白浜町瀬戸627 |
TEL | 0739-42-3771 |
FAX | 0739-42-3771 |