一行寺

本尊阿弥陀如来は室町時代の大仏師春日作である。天正5年(1577)に諌蓮社晃誉松伯上人により開かれ、三昧山一心院一行寺と号し、開山以来の弟子相続による世襲寺である。 寺伝によれば、戦国時代武蔵国江戸城紅葉山の天智庵(後の西久保天徳寺)の2世晃誉上人が、元亀年間に天智庵を退隠して、師の三蓮社縁誉称念の教化跡を慕って播磨国に暫く巡錫、続いて因幡国に入り若桜・私都・味野をへ、伯耆倉吉に到り其々一宇を建立された。引き返し鳥取に到り、当時無住となっていた田島の西宗寺に足を留め、民衆の教化に当たられた。 その当時は、現在の鳥取市一帯は一面の沢地帯で人家は殆んど無く、主な路は田島→栗谷→百谷→八重原の道であったので、西宗寺を栗谷の地に移し、寺号を改めて一行寺となし、開山上人となられた。時に天正5年(1577年)で、秀吉の鳥取城攻めの数年前の事であり、その場所は後年になって今の興禅寺(黄檗宗)が建てられている其の場所であった。 慶長4年(1599年)に晃誉上人84歳で遷化、弟子念故が一行寺2世となり、以来弟子相続世襲の寺として法灯連綿として400有余年の今日に至っている。慶安3年(1650年)に栗谷の地にて自火により焼失、現在の地に移り堂宇を再建した。 石黒火事(1720年)で類焼、鳥取大地震(1943年)で本堂等倒壊したが、再建して今日に至っている。

寺院情報
寺院番号 34-001
山号 三昧山
院号 一心院
寺号 一行寺
所在地 〒680-0055 鳥取県鳥取市戎町202番地
TEL 0857-22-6762
FAX 0857-22-6799