善導寺
善導大師御来朝伝説の聖地〜聖光ゆかりの寺宝多く
浄土宗第2祖鎮西聖光上人開山の筑前博多の善導寺は、善導大師御来朝伝説の聖地として知られる。上人ゆかりの品々や、県、市指定文化財も数多く、訪れる人は多い。
この寺の草創には不思議な話が伝わっている。1人の僧が中国から博多へ帰る船に乗っていた。航海中嵐に遭い、僧が船板に「南無阿弥陀仏」と書き海に投げ込むと、波風は静まり、無事博多に着いた。そのころ、豊前彦山で修行されていた聖光上人は、霊夢で「私は中国の善導である。博多に着いたので迎えに来られよ」とのお告げをうけ、急ぎ博多へ来てみると、松林の中に善導大師の木像が横たえられていた。上人は近くにあった法相宗の廃寺にその木像を安置、善導寺として浄土宗に改宗した。建暦2年(1212)のことである。そしてこの尊い話を聞いて集まった人々のために、上人は100日間の説法をし、当寺は「談義所」とも呼ばれた。
以後同寺は、後醍醐天皇・後土御門天皇の勅願所になり、江戸時代には徳川氏の帰依もうけ、直末110数ヶ寺を有した。同寺の本尊「木像善導大師像」は念仏を唱える姿の小像で鎌倉時代の作。「木造鎮西上人坐像」は室町時代初期の作と見られるが、寺伝では上人自作といわれる。境内にある「蒙古碇石(碇地蔵)」は前述の船の碇(いかり)に地蔵を刻んだもの。これらはいずれも県文化財。上人直筆の「末代念仏授手印」は浄土宗宝になっている。他にも多くに寺宝があるが、ふだんは拝観できないものもある。
浄土宗新聞平成2年11月号より記載
交通機関
JR博多駅の北1.3キロ。 市営地下鉄2号呉服町駅下車、徒歩5分
寺院情報
寺院番号 | 42-148 |
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山号 | 光明山 |
院号 | 悟真院 |
寺号 | 善導寺 |
所在地 | 〒812-0035 福岡県福岡市博多区中呉服町6番24号 |
TEL | 092-291-0475 |
URL | http://www.zendouji.net |