福岡県甘木市内水町の通りに面して、浄土宗の西谷山甘露院、法泉寺（鎮西派筑後善導寺末寺）がある。
法泉寺由緒によると、法相宗として、第92代伏見天皇、北条貞時の永仁四年（１２９６年）菩提寺字西谷に創建されたとあるが、その詳細は定かではない。また、一説によれば、後土御門天皇延徳元年（１４８９年）当時開山、安蓮社登誉上人檀信徒の帰嚮に依り、創立すと伝う。但し、延徳元年は開山往生の年にして、開基は今少し古いものと思われる。
さらに伝説として当法泉寺は、元菩提寺邑に存せしものを、現地に移せしものなりとある。
ここ甘木の町は、古くから秋月と豊後大友軍の戦乱の中心だったところで、戦による放火など数回に及ぶ火災によって、多くの家屋、寺院が焼失、この法泉寺も例外ではなく、その都度被災し、寺の重要な由緒書などが焼失している。
境内には観音堂、納骨堂、鐘楼堂、山門などがあり、本堂左側には「孝子鞍崎嘉右衛門、妹はる、父嘉兵衛」の碑が建ち、墓も開基の上人から、第37世迄のものと共に、国道３８６号線バイパス、市内持丸の西谷霊苑に移して、法泉寺に於いて供養している。