称名寺
幕末・ペリー提督や新選組とのゆかりも

北海道の表玄関、函館にある護念山称名寺は正保元年(1644)に伊勢の国の僧、円龍が阿弥陀如来像を奉持し北海道に渡り亀田村(現函館市内)に像を祀り阿弥陀堂と称したことがその開創である。以来、時代の変遷とともに多くの出来事を見聞し体験してきた。

開拓の人々は寺をにぎわせ、布教開教の僧侶はわらじをここにぬいだという。また、幕末には函館の町にペリー提督が訪れ、その日記に寺の記述もあるという。その後函館は下田とともに開港場(国際貿易港)となり、寺は、英・仏の領事館にもなっている。

三門を入ると大きなイチョウの木があるが、そのわきに新選組土方歳三らの供養碑がある。
墓所には豪商、高田屋嘉兵衛の墓や初代箱館館主河野加賀守政通の供養碑など多くの著名人の墓がある。
現在の本堂は鉄筋だが、内部の人天蓋(にんてんがい=僧侶の頭上・天井からつるした飾り)は東京・芝の増上寺より贈られたもので、極彩色の豪華なものである。また本尊阿弥陀如来は江戸期の秀作として函館市の文化財になっている。

浄土宗新聞平成2年2月号より記載

寺院情報
寺院番号 01-001
山号 護念山
院号 摂取院
寺号 称名寺
所在地 〒040-0055 北海道函館市船見町18番14号
TEL 0138-23-0574
FAX 0138-26-1983