光善寺
松前藩内室の菩提寺 境内に伝説の桜

松前は、武家文化と古寺が散在する叙情味あふれる町。その中心、松前城の奥に光善寺は在る。
光善寺は天文二年(一五四三)高山寺として創設。元和七年(一六二一)、時の後水尾天皇より高徳山光善寺の寺号を賜わり改称され、その後松前藩の内室の菩提寺として栄えた。堂宇は度重なる火災で消失したが、現存の山門(弘化四年〔一八四七〕建立)は道内でも貴重なものである。また、本尊阿弥陀如来像は平安末期の作といわれ、北海道指定の有形文化財となっている。
境内は桜の名所で春には多くの参詣者が訪れるが、特に本堂前の桜は「血脈(けちみゃく)桜」と呼ばれ樹齢二百八十年以上の古木である。この桜は松前商人の娘が尼僧から贈られた苗木を寺に奉納。
後に本堂再建のために切り倒そうとしたが、前夜住職の夢枕に「明日は死ぬ身、なにとぞ血脈を」という求めの声がし、その声に応じ念仏を称え、血脈を授けたところ、翌朝授けた血脈の伝書が桜の枝に掛かっていたということが伝えられているものである。

寺院情報
寺院番号 01-026
山号 高徳山
院号 千嶋教院
寺号 光善寺
所在地 〒049-1511 北海道松前郡松前町字松城303
TEL 0139-42-2680
FAX 0139-42-2680