JR水戸駅から水郡線の各駅停車に乗り、揺られる事30数分。瓜連駅に到着する。駅から北に向かい、突き当りを左、左に郵便局がある角を右折すると大きな門が見える。今回紹介する常福寺の楼門だ。この門をくぐり、杉の木に挟まれた長い参道を歩くと当時の栄華が偲ばれる。
寺は延元年中(1336〜39)に浄土宗第6祖了実上人が開いた。その後、嘉慶2年(1388)僧坊が焼失。第2世了誉上人(浄土宗第7祖)が現在の瓜連城跡に移転、再建した。この後の常福寺は天皇家、幕府と深い結びつきを得、発展の一途をたどる。
宝徳4年(1452)、後花園天皇から「勅願所」の綸旨(りんし=天皇のお言葉)を、天文12年(1543)、後奈良天皇から御宸筆の寺号「常福寺」の勅願を、慶長7年(1602)、徳川家康公から寺領100石、山林竹林等諸役免除の朱印を賜り、浄土宗常陸総本山、関東18檀林(檀林=浄土宗僧侶の養成機関)に任命されている。慶安2年(1649)には、初代水戸藩主徳川頼房公によって伽藍改築。延宝4年(1676)、二代水戸藩主徳川光圀公より、常紫衣を賜り、以来水戸徳川家の、また助川城(現日立市)の家老山野辺家の菩提所となった。
末寺が100ヶ寺余りと栄華をきわめたが、明治4年(1871)、寺領、朱印などが官に没収され、荒廃をきわめた。以後、諸住職によって再建を計るが、度々焼失。現在のように再建されたのは昭和48年8月のことだった。
平成7年10月に本堂落慶、平成11年客殿、庫裡が完成し、江戸中期から末期に造られた3つの門と鐘楼がある。また、毎年旧暦の9月26、27日に行われる了誉上人を偲ぶ法要「26夜さん」は、約4、5万人の参拝者で境内が一杯になる。
また同寺では、光圀公から寄進された法然上人像拾遺古徳伝(九巻伝・国重文)をはじめ、先記した数々の重文が保存されている。
また同寺は、旧瓜連町の散策コースになっている。
(浄土宗新聞平成8年5月号より)
寺院番号 | 11-004 |
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山号 | 草地山 |
院号 | 蓮華院 |
寺号 | 常福寺 |
所在地 | 〒319-2102 茨城県那珂市瓜連1222番地 |
TEL | 029-296-0162 |
FAX | 029-296-3230 |
URL | http://joufukuji.a.la9.jp/index2.htm |