自然寺は、３０万余の人口を擁しながら浄土宗の寺院がなかった埼玉県所沢市に拠点を置き、平成１５（２００３）年に活動を開始しました。社会的な立場である宗教法人ではありませんが、将来は宗教法人として活動することを目標としています。自然寺は、ここ所沢でスタートし、ここに根付き、市民の皆さんと新しい寺を建てていこうという思いを込め、山号を「所沢山」としました。多くの先例に倣って“しょたくさん”と音読みします。地名をそのままお寺の山号にしています。院号の「無量院」は法然上人の「阿弥陀如来に帰依する、ただひたすらに阿弥陀さまのお救いを信じて“南無阿弥陀仏”ととなえる」という教えに依っています。そもそもアミダという名はサンスクリット語（梵語）で「無量の寿（無限の時間）」「無量の光（無限の空間）」を意味しており、“無量”という言葉は阿弥陀さまそのものの性格を意味しています。寺号は「自然寺」。“自然”という言葉は仏教語では呉音で“ジネン”と発音します。一般語のシゼンと同じような意味ですが、とくに「阿弥陀さまの救済に一切を委ねる」ということを意味している言葉です。仏教には、この他力の考え方に基づいて「あるがままに」という意味で「自然法爾（じねんほうに）」という熟語もあります。法然上人は、この言葉からその名を命名されたといわれています。この寺号には、そういう仏教的な意味に一般語の nature の訳語としてのシゼンの意味もふくめております。現在は、小さな空間からのスタートで、さまざまな制限がありますが、いずれは御忌法要（「ぎょき」と発音し、法然上人の命日である１月２５日に勤める報恩の法要）、大施餓鬼法要（はからずも餓鬼道に堕ちた精霊に布施をする法要）、十夜法要（お念仏を勧める法要）を始めとして、法話会など多くの人が集えるような活動を目指しております。