稱名寺

姿・顔の違う三十六童子  四季折々の美しい環境
今泉不動の名で知られる称名寺は、境内に「陰陽の滝」「三十六童子」の石仏群があり、開発の進む鎌倉にあって残り少ない幽境の一つである。
同寺はその昔、真言蜜教の道場であったにふさわしく、折り重なる山々の中にひっそりとたたずんでいる。鎌倉時代初期に創建され、江戸時代初期に浄土宗になったという。
山門を入ると、左側に庫裡、本堂、弁天堂とつづく。このあたりから右側を流れる小川のせせらぎに加えて、滝の水打つ音が聞こえてくる。ご本尊を拝してから、その水音を探るように弁天堂前から右の石段を下る。「陰陽の滝」といい、3mの男滝と1.2mの女滝の二つの滝で、それぞれ水源が異なっているという。
また、弁天堂前から急な石段を登ると、鎌倉開幕以来、代々の将軍が参拝したという不動堂があり、その右手後方の崖の中段に一群の石仏が見える。「三十六童子」である。それぞれ違う姿、顔をしていて、ゆっくり見ていると時のたつのも忘れてしまう。
どの季節に訪ねてもほっとした安堵感が得られる寺である。東海道線「大船駅」から江ノ電バス「鎌倉湖畔行き」で「今泉不動」下車、徒歩5分。 (浄土宗新聞昭和62年9月号より)

寺院情報
寺院番号 15-111
山号 今泉山
院号 一心院
寺号 稱名寺
所在地 〒247-0052 神奈川県鎌倉市今泉4‐5‐1
TEL 0467-45-1774
FAX 0467-48-3947