解脱庵

当庵は寺院としての歴史はそう長くはありませんが、御本尊様である御釈迦様がいつ頃からこの地にいらっしゃるかは不明です。

この御釈迦様は身の丈4尺程の松の一刀彫の坐像で、お顔や胸の辺りから松脂が滲み出ており、あたかも汗を流しておられるように見えるため「汗かき仏様」と呼ばれております。全体的に黒っぽく見えるのは塗料ではなく長年の煤によるもので、明確な年代こそ判りませんが長い年月を閲しておられる仏様であると言えます。

言い伝えによると、かつては能登の御堂にこの御釈迦様が安置されており、1人の老人がお守りしておられました。ある夜、老人は御釈迦様が「越中(現・富山県)に行きたい」と仰る夢を見ました。その後火災が発生したため老人は御釈迦様を背負って火難を逃れ、現在の魚津にある曹洞宗の寺院にお釈迦様を安置しました。が、今度は「もっと北へ行きたい」と仰るので、船に乗って生地へお運びし、祠にお祀りしたのだと言われております。

以後この祠は近隣の篤信の方々がお守りしていらっしゃいましたが、明治に入り信者の一人が尼僧となって草庵を結んだのが当庵の始まりで、初代・散誉法岸妙真法尼より現住5代目を数え、今でも宗派を問わず多くの方々の信仰を集めております。

寺院情報
寺院番号 18-078
寺号 解脱庵
所在地 〒938-0085 富山県黒部市生地吉田9572番地
TEL 0765-56-8451
FAX 0765-56-8451
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