西運寺
伏見の名所“狸寺”コレクションいっぱい

西運寺は、慶長元年に開基された古刹で、京都・宇治川の清流を見下ろす地にあり、山門のすぐ横の大きなタヌキの像が、愛嬌をふりまいている。
江戸時代の末期、住職の冠道和尚は裏山のタヌキを「八」と名付けてかわいがり、飼い犬同様に親しんでいた。これを聞いて都の俳人、歌人、画家、陶芸・彫刻家などが見物に来るようになり、当時有名な陶芸家の道八が、タヌキの焼き物を寺に寄贈したことも評判となり、いつしか“狸寺”と呼ばれるようになったという。
その後、住職がタヌキの置き物の収集を始め、見物に来る人があとを絶たない。

タヌキ哲学
タヌキには八つの相があり、笠は下を見てくらせ、時には天下を仰げ。通帳は無駄使いせず、信用第一。丸八徳利は、すべて八分目、徳と利を兼備。小事にこだわらず太鼓腹で。金袋は、金を大いに蓄え、自在に活用。どんぐり目で偏見なく、正しく見定めよ。先太りの、大成あるデッカイ尻尾。飾らず、偽らず、邪心を去って、丸裸。
京阪電車「観月橋」駅の東200m。

(浄土宗新聞昭和62年12月号より)

寺院情報
寺院番号 29-286
山号 松風山
寺号 西運寺
所在地 〒612-8034 京都府京都市伏見区桃山町泰長老108番地
TEL 075-611-2844
FAX 075-601-2680