本願寺
法然上人の座像や行基作の如来像も
山門を入ると左斜め向こうに単層入母屋造桧皮葺の優美な小堂が目に入る。天平2年(730)行基菩薩によって創建されたこの本願寺の本堂(重文)である。
日本海に面した京都・丹後久美浜にあるこの寺は、過疎化の進むこの地で、ひっそりと土地の歴史を伝えている。久美浜には中世仏教の布教を物語る説話も多く残されており、そのことを示すように、本願寺にも恵心僧都、そして法然上人が訪れ滞留し、その跡を残している。
法然上人は建久3年(1192)、当地の城主伊賀守が後白河法皇の追善供養の法事のため、上人を請じたのに応じ来寺したもので、今も当時のものと伝えられる法然上人座像、自筆の名号石が伝えられている。かつては「法然上人25霊場」の第20番でもあった。同寺にはまた、恵心僧都が彫られた「恵心千体仏」が、本堂内陣鴨居の上に千六百体も置かれているのをはじめ、行基菩薩作の本尊阿弥陀如来像、行基行脚像、恵心僧都作の阿弥陀仏座像、また絵画、古文書など貴重なものが多く所蔵されている。建久3年、法然上人来訪時に建立の勅使門も見もの。
浄土宗新聞平成2年6月号より記載
寺院情報
寺院番号 | 29-555 |
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山号 | 霊鴫(信貴)山 |
寺号 | 本願寺 |
所在地 | 〒629-3410 京都府京丹後市久美浜町1番地 |
TEL | 0772-82-0154 |
FAX | 0772-82-0154 |