吉田寺
恵心僧都伝説のぽっくり往生の寺〜重文のご本尊や多宝塔も〜

千古の歴史の里、大和路斑鳩(いかるが)に吉田寺がある。竹やぶや林に囲まれて、ひっそりとしたたたずまいだが、「ぽっくり往生の寺」として多くの人の信仰を集め、休日には団体客や家族連れなど、たくさんの参拝者がある。
創立は古く、天智天皇(668〜671在位)の勅願といわれているが、平安時代中期の天台僧、恵心僧都源信(942〜1017)によって永延元年(987)に開山したと伝えられている。
ぽっくり往生のいわれは、恵心僧都の母の臨終の際、除魔の祈願をした衣服を着せてあげたところ、なんの苦しみもなく称名念仏の中に往生をとげた。そこから、本尊前で念仏を称え、祈祷を受けると、長く病むこともなく天寿を保ち、安らかに極楽往生をとげることができると言われるようになったのだそうだ。
本尊の阿弥陀如来座像(重文)は、恵心僧都が境内の栗の大木に感得され、一刀三礼の念仏の中で造ったという。像高一丈六尺(約5メートル)、奈良県最大で「大和のおおぼとけ」と呼ばれている。大きな千体仏の光背を持ち、その姿は端正で美しい。現在は防災のため、本堂とつなげて建てられた奉安殿(収蔵庫)に安置されている。
境内はこじんまりとしているが、室町時代(1463)創建の多宝塔(重文)や、天智天皇の妹、間人(はしひと)内親王の墳墓といわれる、清水の古墳がある。
法隆寺へ徒歩20分。藤の木古墳も近い。

浄土宗新聞平成2年7月号より記載

寺院情報
寺院番号 30-047
山号 清水山
院号 顕光院
寺号 吉田寺
所在地 〒636-0142 奈良県生駒郡斑鳩町小吉田一丁目1番23号
TEL 0745-74-2651
FAX 0745-74-2652
E-Mail
URL http://www.kichidenji.com