浄運寺
法然上人御霊場遊女友君教化の地
室津(むろつ)は播磨(はりま)灘を望む港町。古くは室の泊(とまり)と呼ばれ、江戸時代には参勤交代の大名船などで賑わったという。現在も本陣や豪商跡が残るなど歴史を感じる町である。
浄運寺の開創は文治元年(1185)のこと、法然上人の弟子の信寂上人が教化の道すがら土地の長者の帰依をうけ建立したと伝えられている。元は西方寺と呼ばれたが、慶長年間(1596〜1615)に浄運寺と改称されたという。
法然上人は四国配流の折り海路瀬戸内を行く途中でこの寺に立ち寄り、遊女友君を念仏往生の道に導いている。
伝えによると、友君は自身の罪深さに苦しみ、いかにすれば救われるかと法然上人に尋ねた。上人は称名念仏すれば救われる、と教えたところ、その言葉に出家し、以後一筋に念仏し正念往生をとげたという。寺には友君が法然上人とともに作った法然上人像や、金泥の名号、法然上人着用の袈裟、友君像などが残されている。また、山門前には播磨灘を背景に友君の墓、昔の海岸べりには法然上人貝掘りの井戸もある。
寺はユースホステルにもなっており宿泊もできる。
浄土宗新聞平成3年8月号より記載
寺院情報
寺院番号 | 33-166 |
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山号 | 清凉山 |
寺号 | 浄運寺 |
所在地 | 〒671-1332 兵庫県たつの市御津町室津168番地 |
TEL | 079-324-0030 |
FAX | 079-324-0030 |