眞教寺

真教寺開山の聖は、俗姓平政盛で、寿永4年(1185)春、長門(山口県)の壇ノ浦の戦で敗れた平家の2位の尼公の依頼により、平家の菩提を弔う為に鳥取久松山の中腹に草庵を建立したのがはじまりと伝えられる。後、久松城主宮部善祥房の時、新蔵付近の中の島に光仲公の時に現在地へ移され、法灯790年に及んでいる。昭和27年の大火によって本堂等建物の全ては類焼したが、翌28年には再建され現在にいたる。昭和27年鳥取市100年の大計を樹立する鳥取都市計画鳥取火災復興土地区画整理事業に伴う市内墓地移転の議が起り、当寺院内の墓地に対しても同様移転方の申進めがあり、市内円護寺の公園墓地に移転した。旧墓地は、真教寺公園(動物公園)となって、市民の憩いの場となっている。特筆すべきは、羽柴秀吉との鳥取城攻防戦に於ける武将、吉川経家公の一命を以って衆命にかえた経家公の菩提所であり、鳥取吉川遺徳顕彰会(会長、歴代鳥取市長)が組織され、毎年10月25日に追善法要を奉修している。
右、写真は真教寺のシンボルになっている樹齢350年の松である。昭和53年11月18日に鳥取市より保存樹木第1号に指定された。
この松は、ずっと昔に兵庫県の舞子の浜から持ってきたもので、明治初期に県に一度寄附したのが同30年に当寺へ返されたという記載が過去帳9番に書かれてある。それには、明治8年7月上旬智頭橋掛替式渡り初めに際し当寺の松を借用し堤防に移栽したが、寛永年間池田家より、良正院殿追善の為に寄附されたものであるから、真教寺境内へ復栽し国主の尊慮旧跡を追懐し退ては寺門の旧観を永遠に保存致し云々という嘆願書が書かれており、この願いが入れられて、松は寺に返され現在に至っている。

寺院情報
寺院番号 34-006
山号 久松山
院号 良正院
寺号 眞教寺
所在地 〒680-0055 鳥取県鳥取市戎町506番地
TEL 0857-22-6338
FAX 0857-22-6335