栖岸寺

当山の開基は元和、寛永の頃(徳川時代初期)とされており、本寺は真教寺である。
宝永7年(1710)9世十誉代に「西岸寺」を「栖岸寺」と改め、延享5年(1748)にはソラ山東麓(現在の湖山町井津水地区)にあった本堂を、山崩れなどのため現在地に移転するが、寛政4年には出火焼失し、同11年に現在の本堂を建立している。其の他の庫裡、書院、位牌堂、地蔵堂、新客殿、鐘楼堂は現住職代に建立されたものである。
本尊阿弥陀如来は東伯郡の東郷池より上られたと言い伝えられておる。よって山号を「水中山」という。
当山の特色は「双盤念仏」である。双盤念仏は双盤台に並べた双盤鐘を撞木で叩きながら「南無阿弥陀仏」の念仏を唱える引声念仏であり、約350余年前の承応年間から常念仏(不断念仏……絶え間なく念仏を唱えること)が執行されており、その結願儀式(1,000日間の常念仏を為し遂げたとき、仏さまにお礼を申し上げると共に、報謝の意をこめて、その善根功徳を衆生にめぐらす儀式)に阿弥陀如来に奉納したのが双盤念仏である。明治初期以来、常念仏は絶えて久しいが、3年に1度の儀式と双盤念仏は現在も存続されており、昭和38年に鳥取県の無形文化財に、又、昭和55年に浄土宗宗宝に指定された。

寺院情報
寺院番号 34-009
山号 水中山
院号 浄清院
寺号 栖岸寺
所在地 〒680-0941 鳥取県鳥取市湖山町北1丁目387番地
TEL 0857-28-1478
FAX 0857-28-4904