浄香寺

薫習山心蓮院浄香寺は、多里村字多里にあり、本堂には阿弥陀如来を安置せり。開基は薫習院殿浄誉心蓮妙香大姉といい、当地亀尾山城主成忠公の室にして薫の君と称せり。始め天正年中、浄蓮社香誉上人という念仏の行者が此の地に止むること数カ月、教化親切にして其の名遠近に聞こゆ。薫の君、上人の勧誘に浴し深く浄土門に帰依して此の地に一宇を建立し、永く専修念仏の道場たらしめんと企願を興し、事由を総本山知恩院に開申して寺号浄香寺を授く。時に天正の年なり。再建連綿法灯滅せず。
昭和の初期に至って堂宇益々荒廃の度を加え、昭和8年に移転再建を計画し、檀頭入沢直治翁は新たに日野上村河上閑静優雅な浄地431坪に本堂、庫裡、位牌堂を新築寄進せられたり。翁は常に浄土の教えを信じ尊仏崇祖の念篤く、正に浄香寺中興開基として永世に之をまつる。

寺院情報
寺院番号 34-043
山号 薫習山
院号 心蓮院
寺号 浄香寺
所在地 〒689-5221 鳥取県日野郡日南町河上727番地1
TEL 0859-82-0854
FAX 0859-82-0854