専念寺
九州日光極彩色の本堂と重文の阿弥陀像

久留米の大本山善導寺から東へ4キロ、草野町にあるのが専念寺である。開山は元久元年(1204)。浄土宗第二祖鎮西聖光上人の弟子、持願上人が聖光に命ぜられて建立したと伝えられる。もとは西向寺といって、聖光が建てた48の念仏道場のひとつである。
本尊の阿弥陀如来立像はヒノキの一木造りで像高約1メートル。おだやかな表情をたたえた優美な姿で、国の文化財に指定されている。作者は行基とも恵信僧都とも伝えられるが、銘がないので確かなことはわからない。文化庁の調査では、おそらく恵信僧都の作ではないかという。また、この寺は本堂内部が極彩色に彩られ“九州日光”と呼ばれ、有名である。三方の壁には25菩薩来迎図、格子天井には黒地に金泥の竜が鮮やかに描かれている。この見事な本堂の由来は、先々代の住職が明治44年の法然上人700年遠忌を記念して、九州にも日光東照宮のような立派なものを――と、私財を投じて作ったもの。16人の仏師が寝食を共にして三年も費やしたというから、一見の価値がある。

浄土宗新聞平成3年1月号より記載

寺院情報
寺院番号 42-198
山号 西向山
院号 一心院
寺号 専念寺
所在地 〒839-0835 福岡県久留米市草野町草野258番地
TEL 0942-47-0029
FAX 0942-47-0057